中年オヤジの自転車通勤コラムと女の子のイラストがあります。
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人魚物語15

船旅を終えて故郷に帰ってきたレオン。
人魚のエリアルと恋に落ちた青年である。
レオンは船長と二人で町の小さな療養所を訪れた。

そこにいたのはナターシアという女性だった。
船長の一人娘であり、レオンとは小さいときからの二つ年下の幼馴染。
子供の頃はよく二人で遊んでいた。
レオンは捨て子だったので、船長一家が家族同様に面倒をみてくれていたのだった。

13歳の夏に彼女は病に冒された。不治の病であった。
ナターシアはレオンの事を密かに想っていた。
しかし、自分がこんな体なのでレオンに想いを伝える勇気もなかった。

「ナターシア!ただいま。どうだい?具合は・・・」
 船長の父とレオンがお見舞いに来たのだ。

「大丈夫よ。お父様・・・・お仕事お疲れ様でした。レオンも来てくれてありがとう・・・」
久しぶりに彼に会えて、ナターシアに笑顔が戻っていた。
彼の笑顔を見ると寝たきりの体を懸命に起こし、 嬉しさを隠せない様子だ。

父もその事を薄々感じているようだった。
船長はレオンに暫くナターシアの傍にいてくれるように 無理を承知で頼んだ。
レオンは快く引き受けた。ある人との約束の時間を除いてと約束して・・

満月の夜。エリアルは遠い南国の岩辺で「人魚の心」に話しかけた。
一晩中待っていたが、彼の心は聞こえてこなかった。
エリアルは夜明けに仲間の所に帰っていった。

その晩、その時間はナターシアの容態が悪化し、レオンは緊急で医者を 呼びに行っていた。
彼の素早い対応と医者の手当てのおかげで彼女は持ち直した。

レオンは複雑だった・・・・
約束の時間にエリアルと連絡ができなかった。でも、後悔はしていなかった。
レオンは黙って優しくナターシアを看病していた。

満月の夜、約束の時間は丁度、ナターシアの病気が 悪化する時間だった。
エリアルからもらった貝「人魚の心」をレオンはじっと見つめていた。
そんなレオンを寂しそうに見つめるナターシア

そして、半年が過ぎた。 ナターシアに最後の時が来た。

「今までありがとう。あなたの優しさが嬉しかった。」「ごめんなさい。あなたの優しさに甘えてしまって・・・」
「貴方を想っていてくれる人、大事にしてあげて下さい。」
「お父さん、私のわがまま叶えてくれてありがとう・・・」

・・・レオン、私も貴方を好・・・・・・

最後の言葉は聞こえなかった。彼女の心の中で告白したものだったようだ。

船長の頬を一筋の涙が流れた。
ナターシアは微笑んで いるように静かに永眠した・・・・・

幼い頃、レオンから貰ったおもちゃの指輪を大事そうに隠して・・・・・・

To be continued 16


後書き

今回は人魚のエリアルはイラストには出てきません。彼女との遠距離恋愛の間のお話です。
携帯電話がない時代って、今は考えられないですね。昔は電話もない時代。
大航海時代には海を隔てた愛を育むことも困難だったと思われます。
エリアルとの唯一の交信手段だった「人魚のこころ」は満月の夜のみ空間を超え二人の心を繋げることができるもの。
半年間、エリアルは待ち続けました。そして、どうなるのでしょう?
人間と人魚は結ばれることができるのか?そのキーワードは?
そんなところを次回は描いて見たいと思います。


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