中年オヤジの自転車通勤コラムと女の子のイラストがあります。
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人魚物語20

昨夜は海が荒れていたが今朝は朝日が眩しく、海は穏やかだ。
そこに若い人魚が現れた。
「あっ!あれは・・・フネ?」
遠くに見える船は恐ろしい2本足の人間が乗っているものだという。
昨日の嵐で座礁しているのだろうか?

好奇心旺盛なこの人魚はこの「フネ」に興味を持った。
「ちょっと怖いけど、行って見ようかな?」

そこには座礁した漁船とその甲板に若い青年が死にそうになっていた。
恐る恐る人魚は青年に近づいた。

優しい顔立ちの青年に人魚は安心した。
「この人を助けたい・・・・けど、どうしたら?」
少しの間、考えた。「長老たちが言っていた。」
「私たちの血は生命の息吹だった!」

人魚は自らの唇を噛んだ
彼女の唇からは血がにじんで来た。
その唇を青年の唇に当てた。

海鳥が漁船の周りを飛んでいる。
早朝の爽やかな風が2人を祝福しているようだった。
人魚は冷えた青年の体を抱いて暖めた。

どのくらい時間が過ぎたのだろうか?
精気を失っていた青年の顔に赤みが徐々に戻って来た。
「ヨカッタ・・・」人魚の顔にも笑みが浮かんだ。

朝の静かな海で生命の奇跡が起きていた。
「なんでこんなに貴方が気になるの?」人魚は自分に問いかけた。
次第に元気になってきた青年を見て、それはどうでもよくなった。

青年が目を覚まし出した。
「見られてしまう!」
人魚は人間と接触してはならない掟だった。
人魚は慌てて海に戻ろうとした。

目覚めた青年の目に一瞬振り向いた人魚の顔が見えた。
「あなたは・・・?」青年がその美しい人魚に話した。
人魚は一瞬ためらったが、自分の名を言った。


「・・・・・エリアル。」そう言うと海中に消えていった。
青年も名乗ろうとしたが彼女は行ってしまった。
「ありがとう・・・また、会いたいな」

その気持ちは2人とも一緒であった。
何事も無かった様に穏やかな海と真っ青な空だった。
2人の気持ちは海と空だけが知っている。


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